腰痛の原因は「普段の姿勢」に⁉|各姿勢の腰への負担と、日常動作ごとの腰痛対策を鍼灸師が解説

腰痛の負担は普段の姿勢に⁈鍼灸師・整体師が解説 整体

腰痛を軽減したいと思っているあなたへ。

「特に何もしていないのに、気づいたら腰が痛くなっていた」

こういった声、本当によく聞きます。

激しい運動をしたわけでも、

重いものを持ったわけでもないのに、

じわじわと腰が重くなったり、

ある朝突然腰が動かなくなったり。

実は、

その原因は「何気ない普段の姿勢や動作」に隠れていることが多くみられます。

今回は、

様々な姿勢が腰にどれくらいの負担をかけているのかをデータをもとにご紹介し、

日常生活の中で今日からできる腰痛対策をお伝えしていきます。

腰痛にお悩みの方は、ぜひ最後までお読みいただければ幸いです。

Q)座っている姿勢と立っている姿勢、どちらが腰に負担がかかりやすい?

「立っているほうが疲れるから、腰にも負担が大きそう」

と思われる方も多いのではないでしょうか。

正解は、

座っている状態のほうが腰への負担が大きいです。

意外だと感じた方もいらっしゃると思います。

これには、腰椎(腰の骨)と椎間板(腰椎の間のクッション)の構造が深く関係しています。

各姿勢で腰にかかる負担の比較

スウェーデンの整形外科医ナッケムソン(Nachemson)が1960〜70年代に行った研究で、

様々な姿勢・動作時の腰椎椎間板にかかる内圧(負荷)が数値化されています。

この研究は現在も腰痛研究の基礎データとして世界的に引用されているものです。

真っすぐに立っている状態を100とした場合の比較

姿勢・動作腰椎への負担の目安
仰向けに寝る約25
横向きに寝る約75
真っすぐ立つ100(基準)
立って上半身を20度前傾約150
背筋を伸ばして椅子に座る約140
椅子に座り上半身を20度前傾約185
中腰で20kgの荷物を持ち上げる約200以上

このデータを見ると、いくつかのことが見えてきます。

まず、

仰向けで寝ている状態が最も腰への負担が少ないことがわかります。

腰痛がつらいときに横になると楽になるのは、感覚的なものだけでなく、

きちんとした理由があるのです。

次に、

座っている姿勢は立っているよりも負担が大きいということ。

これは、座ると骨盤が後ろに倒れやすくなり、

腰椎の自然なS字カーブが崩れるため、

椎間板に圧力が集中しやすくなるためです。

そして、

前かがみの姿勢が加わると負担は一気に上がることもわかります。

座って前かがみになる姿勢(デスクワーク・スマホ操作・料理など)は、

腰への負荷が立っているときの約1.85倍にもなります。

なぜ腰には常に負担がかかるのか

腰の筋肉・骨格は、主に以下の2つの役割を担っています。

姿勢の保持

体が前後左右に倒れないよう、常に筋肉が働き続けています。起きている間ずっと働いているわけですから、疲労が蓄積しやすいのは当然です。

衝撃の吸収

歩く・走る・階段の上り下りなど、あらゆる動作で生じる振動・衝撃を腰椎と椎間板が受け止めています。

これらを踏まえると、

「日本人の約80%が生涯に一度は腰痛を経験する」というデータも、

決して大げさではないことがわかります。

腰痛の大敵「S字カーブの崩れ」とは

背骨(脊柱)は、横から見たときに緩やかなS字状のカーブを描いています。

首(頸椎)が前弯、背中(胸椎)が後弯、腰(腰椎)が前弯という構造です。

このS字カーブは、体重の分散・衝撃の吸収・バランスの維持に欠かせない構造です。

このカーブが崩れると、腰椎への負担が局所に集中しやすくなり、

腰痛・椎間板へのストレス・筋疲労の原因になります。

S字カーブを崩す代表的な姿勢

  • 猫背(円背):腰椎の前弯が失われ、腰が丸まった状態。長時間のデスクワーク・スマホ操作・前かがみ作業で起こりやすいです。
  • 反り腰(過前弯):腰椎が過度に前に反った状態。ハイヒール・妊娠・お腹が出ている方・立ち仕事が長い方に多く見られます。
  • 骨盤後傾:骨盤が後ろに倒れて腰が丸まる状態。椅子に浅く座ってだらっとしたり、床に座る機会が多い方に起こりやすいです。

自分の姿勢をチェックしてみましょう

壁を背にして、後頭部・肩甲骨・仙骨(お尻の中央の骨)・かかとの4点を壁につけて立ちます。顎を軽く引いた状態で、肩の力を抜いてみてください。

この4点が壁に自然につき、腰の部分に手のひら1枚分程度の隙間があればおおむね正常な姿勢です。

  • 腰が壁から大きく離れている → 反り腰の傾向があります
  • 頭・肩甲骨が壁につかない → 猫背・円背の傾向があります
  • 仙骨が壁につかない → 骨盤後傾の傾向があります

日頃から意識するだけで姿勢は少しずつ変わります。

まずは現状を把握するところから始めてみましょう。

日常動作ごとの腰痛対策

「特別なことをしていないのに腰が痛い」という方の多くが、

日常のなにげない動作で腰に負担をかけ続けています。

以下の場面ごとのポイントを参考にしてみてください。

【家事編】

台所

台所での作業 立ちっぱなしが続くと腰への負担が蓄積します。

立ちっぱなしが続かないように、意識しましょう。

また、立ちっぱなしが続く作業の際は、座ってできるれば(野菜の皮むき・食材の下ごしらえなど)、椅子に腰をかけて行うようにしましょう。

掃除機

掃除機がけ 前かがみの姿勢が続きやすい作業です。

長時間前かがみの姿勢が続くと、腰に負担がかかりやすい傾向があります。

ホースを長めに設定して腰を極力曲げないようにし、上半身の前傾角度をなるべく垂直に保ちながら動くようにしてみてください。

コードレスタイプの軽い掃除機への変更も、腰への負担軽減につながります。

窓ふき

窓ふき・高いところへの作業では、背伸びをした状態で腕を上げると腰が反りやすくなります。

このような作業で腰を反らせた際に、腰を痛めるケースもあります。

踏み台を使い、作業面に体をなるべく近づけることで、腰への負担を減らせます。

逆に低いところを拭く際は、前傾姿勢にならずになるべく膝を曲げてしゃがんで行うか、膝をついて行うとよいです。長時間になりそうな場合は、膝と地面の間にクッションなどをかまして、膝を傷めないようにしましょう。

洗濯物干すたたむ

洗濯物を干す洗濯物を床やカゴから取り出すたびに前かがみを繰り返すのは、腰への累積負担になります。洗濯物の入ったカゴを台の上に置いて高さを確保し、なるべく屈まずに済む環境を作りましょう。

洗濯物をたたむ作業は地べたより、テーブルや椅子を使って行う方が腰への負担を抑えられます。

重いものを持つ

重いものを持つとき 腰を曲げて持ち上げるのではなく、荷物に体を近づけてから膝を曲げ、腰を落としてから持ち上げるようにしましょう。荷物を体から離した状態で腰だけで持ち上げる動作は、腰椎への圧力が非常に高くなります。

お腹(腹腔内圧)に力を入れてからゆっくり持ち上げることも大切です。

【洗顔・洗面台編】

洗顔

朝の洗顔動作はぎっくり腰が起こりやすい動作のひとつです。

朝は睡眠中に体が冷えて筋肉が硬くなっているうえ、前かがみで一定時間静止する姿勢が腰椎の椎間板に大きな負荷をかけます。

足を肩幅程度に開き、膝を軽く曲げて腰を少し落とした状態で洗顔するだけで、腰への負担が大きく変わります。

【起床時編】

起き上がり

朝起き上がる瞬間も、腰を傷めやすいタイミングです。

睡眠中は動かないため、腰まわりの筋肉・椎間板が硬くなっています。その状態でいきなり起き上がると、腰に急激な負担がかかります。

起き上がる前に、仰向けのまま軽く伸びをしたり、両膝を胸に引き寄せるストレッチ(膝抱えストレッチ)を10〜15秒ほど行ってから起き上がると、腰まわりの硬さが和らぎます。

起き上がる際は、仰向けからそのまま体を起こすのではなく、

横向きに寝返ってから腕と膝の力を使ってゆっくりと起き上がる方が、腰椎への負担が格段に小さくなります。

靴下をはく

靴下を履くとき、立ったまま靴下を履こうとすると、片足立ちと前かがみが重なり、腰への負担と転倒のリスクが同時に高まります。椅子やベッドの端に腰掛け、膝を曲げて履くようにしましょう。

【座り方編(デスクワーク・スマホ操作)】

デスクワークやスマホを長時間使う方は、腰への負担が特に蓄積しやすいです。

椅子には深く腰掛け、仙骨(骨盤の中央の骨)を立てた状態で座りましょう

背もたれに完全にもたれかかると骨盤が後傾しやすくなります。背もたれは背中を軽く支える程度に使い、自分の体幹で姿勢を保つ意識を持ちましょう。

パソコンのモニターは目の高さかやや下に設定し、首が前に出ないようにすることも大切です。

スマホを操作するときは、なるべく画面を顔の高さに近づけて、首と腰の前傾を抑えましょう。

30分に一度は姿勢を変える

どんなに正しい姿勢であっても、長時間同じ姿勢を続けることは腰への負担になります。

30分に一度は立ち上がる・軽くストレッチをするなど、姿勢をリセットする習慣を持つことをおすすめします。

腰痛がある方は、昼休憩などに5〜10分でも横になって腰を休ませてあげると、午後からの負担を軽減しやすくなります。

腰痛を感じたら我慢しすぎないことが大切です

腰痛は、軽いうちに対処するほど回復が早い傾向があります。

「そのうち治るだろう」と放置していると、筋肉の慢性的な緊張・姿勢の崩れ・神経への刺激が重なり、慢性腰痛へと移行しやすくなります。

また、腰の痛みの中には、内臓疾患・骨折・腫瘍など、

整骨院・鍼灸院での施術よりも医療機関での精密検査が優先される場合もあります。

以下のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診されることをおすすめします。

・発熱

・体重減少

・倦怠感を伴う腰痛

・足の麻痺

・排泄の異常がある

・転倒・事故など外傷のあとからの強い痛み

そのような症状がなく、また病院へ行っても特に異常が見当たらない場合、

日常的な腰の重さ・慢性的な腰痛・姿勢からくる腰痛にお困りの場合は、

国家資格を持つ鍼灸師・柔道整復師が在籍する鍼灸整骨院へお気軽にご相談ください。

私の勤務する東広島市西条にある20年以上の実績のある鍼灸師・柔道整復師が常勤する鍼灸整骨院にご相談ください。

今回ご紹介した姿勢への意識と日常動作の工夫が、少しでも腰痛の予防・改善のお役に立てれば幸いです。

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